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2019.01.13更新

少し専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属する不完全二本鎖の直径約40nmの球状DNAウイルスです。

ウイルスの中でも非常に小さく、ゲノムサイズは3.2kbしかありません。

B型肝炎ウイルス本体の感染粒子は一般にDane粒子と呼ばれます。

HBVゲノムからは、大きく分けてコア抗原(HBc抗原)、ポリメラーゼ(HBpol)、S抗原(HBs抗原)、X抗原(HBx抗原)の4種類の遺伝子産物のみが生成されます。

完全閉環二本鎖DNA(cccDNA)、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素を含む芯(コア)と外殻(エンベロープ)の二重構造をとります。

B型肝炎キャリア診断の検査として用いられるHBs抗原は、Dane粒子の外殻を構成する蛋白抗原です。

Dane粒子の他、中空粒子、小型球形粒子など血中に放出される蛋白の外殻に位置します。

HBe抗原は芯の一部を構成する蛋白であり、B型肝炎ウイルスの増殖が盛んな場合に血液中に流出します。

ここからはさらに専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスの排除を困難にしている最も重要な要因が先述したcccDNAの存在です。

ちなみに、cccDNAとは一般的にB型肝炎ウイルスの鋳型として知られていますが、実際にはB型肝炎ウイルスに固有のDNA形態ではなく、二本鎖閉環状DNAで螺旋状のものは全てcccDNAと呼びます。

HBV cccDNAは細胞核内のみに存在し、4種類のヒストンから構成されるヌクレオソーム、HBx、HBcと結合していると考えられています。

現在、臨床で主に使用されている核酸アナログ剤はHBV DNA合成を抑制するのみであり、細胞の核内に存在するcccDNAには全く影響を与えません。

インターフェロンαがcccDNAを減少させるという報告もありますが、効果は限定的であり、作用機序についても意見が分かれています。

2018年6月に大阪で開催された肝臓学会総会に参加して、B型肝炎の創薬をテーマとした講演を聴きましたが、B型肝炎の根治的治療薬の誕生にはまだ時間がかかるという印象を受けました。

HBs抗原陽性の患者さんには定期的な外来フォローが必要であると考えています。

 

 

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

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