ピロリ菌の検査

ピロリ菌の検査

全部で6つの検査法があります。

 

各々の検査法には利点と欠点があり、ひとつの方法で完全に診断可能な検査法は存在しません。それぞれの特徴を理解して検査法を選択しています。必要に応じて複数を組み合わせて用いることもあります。

 

ピロリ菌の診断は、感染診断と除菌診断に分けられます。

 

感染診断はピロリ菌の存在診断であり、それぞれの検査法の診断精度に大きな差はありません。

当院で行っているピロリ菌感染診断の検査法は以下の通りです。

1.迅速ウレアーゼ法: 胃カメラ(内視鏡)時に同時に行います。
2.尿素呼気試験: 各国ガイドラインで最も信頼性の高い診断法です。
3.抗ピロリ菌抗体測定法: 採血で行います。
4.便中ピロリ菌抗原測定法: 便検査で行います。

当院ではほとんどの場合、胃カメラ(内視鏡)中に迅速ウレアーゼ試験を行います。

 

健診や人間ドックでは、胃カメラ(内視鏡)検査を行わない場合に抗ピロリ菌抗体測定法や便中ピロリ菌抗原測定法が使われています。

 

なお、当院の「除菌診断」では、尿素呼気試験もしくは便中ピロリ菌抗原測定法を使っています。

それでは、ピロリ菌の検査について詳しくみてみましょう。

現在保険適用があるピロリ菌診断法は、次の6つの検査です。

1.迅速ウレアーゼ試験(RUT)
2.培養法
3.鏡検法
4.尿素呼気試験(UBT)
5.抗ピロリ菌抗体測定法
6.便中ピロリ菌抗原測定

これら①~⑥のピロリ菌診断法は胃カメラ(内視鏡)の必要性によって大きく2つに分けられます。

 

次の表をご覧ください。

① 迅速ウレアーゼ試験(RUT) 胃カメラ(内視鏡)による生検組織が必要
② 培養法 胃カメラ(内視鏡)による生検組織が必要
③ 鏡検法 胃カメラ(内視鏡)による生検組織が必要
④ 尿素呼気試験(UBT) 胃カメラ(内視鏡)は不要
⑤ 抗ピロリ菌抗体法(採血による) 胃カメラ(内視鏡)は不要
⑥ 便中ピロリ菌抗原測定法 胃カメラ(内視鏡)は不要

 

では、それぞれの検査について詳しく説明します。

迅速ウレアーゼ試験(RUT)

生検組織中に含まれるピロリ菌のウレアーゼ活性を短時間に検出する方法です。

 

試験培地に尿素とpH指示薬が含まれており、ピロリ菌が持つウレアーゼで尿素から産生されたアンモニアが培地のpHを上昇させるため色調変化が起こります。

 

本検査は手技が比較的簡単で結果が迅速に得られるため、胃カメラ(内視鏡)施行時の感染診断には有効性が高いのですが、除菌後の検出感度が低いのが欠点です。

培養法

生検組織を培地に塗布して、37℃の条件下で5~7日間培養する方法です。

 

コロニーの形態や性状からピロリ菌の同定を行います。

 

培養法は特異性が最も優れていますが、熟練した手技を要するため、施設間での精度に格差が存在します。

 

最近では、輸送培地の開発により、遠隔地から培養手技の安定した検査センターに検体を送る事が可能です。

 

培養された菌の薬剤感受性試験を行うことで薬剤耐性のチェックもできます。

 

菌株の保存が可能で、菌株の遺伝子検査も可能です。

鏡検法

生検組織を染色してピロリ菌の菌体を顕微鏡で観察して確認する方法です。

 

通常の染色では菌の確認が難しいこともあり、特殊染色の使用が推奨されています。

 

菌の鏡検には100倍以上の拡大観察が必要で、他の菌との鑑別や球状菌の診断には、特殊染色が有用です。

 

鏡検法は胃カメラ(内視鏡)時の生検検査として施行することができ、同時に病理組織診断で慢性胃炎の炎症の程度が評価でき、後日に再検討もできます。

 

診断能は病理医の経験、生検個数、スライド枚数に影響を受けます。

尿素呼気試験(UBT)

この検査法もピロリ菌のウレアーゼ活性を利用した診断方法です。

 

13Cで標識された尿素を服用することで、胃内のピロリ菌によってアンモニアと13C二酸化炭素が炭酸ガスとして肺から呼気中に放出されます。

 

13C尿素服用前後で呼気中の13C /12C(13Cは自然界に1.11%存在する)が増加すれば、ピロリ菌陽性と診断されます。

13Cは非放射性同位元素で、本検査法は安全性も高く簡便な方法です。

 

現時点での胃全体のピロリ菌感染状況を診断でき、特に除菌判定における有用性が高いことが特徴です。

 

UBT偽陽性の原因には、口腔内と胃内のピロリ菌以外の細菌が関与します。

 

偽陰性の原因は胃粘膜萎縮によるピロリ菌量の減少とプロトンポンプ阻害剤(PPI)服用が挙げられます。PPI服用中は偽陰性となることがあり、UBTの実施はPPI服用終了後2週間以上あける必要があります。

抗ピロリ菌抗体測定法

抗体法には迅速診断用の定性キットと、定量的に抗体価を測定する精密キットがあります。

 

ピロリ菌抗原を用いて、検体中の抗体と抗原抗体反応を起こさせ、その反応を検出します。

 

定性検査は全血や尿などを用いて、5~15分で判定でき、オフィス検査として利用されています。日本人を対象とする場合には、国内株を用いて作成された抗体キットの方が精度が高くなります。

 

抗体法では過去の感染も認識することが他の検査方法と異なる点です。逆に、そのために除菌後も一定期間陽性が持続し、現在の感染状況を必ずしも反映しません。

便中ピロリ菌抗原測定法

糞便中のピロリ菌を検出する方法です。

 

迅速性のある定性検査と精密検査があります。

 

除菌判定にも使用可能ですが、PPIの使用後には20~30%の偽陰性が出現することも指摘されています。

ピロリ菌検査の注意点

抗体以外のピロリ菌検査は、静菌作用を有するプロトンポンプ阻害剤(PPI)や抗菌薬(抗生剤)、LG-21が偽陰性の原因になるので直前の中止の徹底(2週間)が重要です。

 

初回の除菌前感染診断時に限り、同時に2つの診断法を組み合わせることが可能です。

 

除菌後の除菌判定では、除菌終了後の4週間以上経過した患者に対し、1つの感染診断法が実施できます。

 

感染診断および除菌判定においても、ピロリ菌陰性と診断された場合に、他の異なる感染診断法がもう1回施行できます。
したがって、胃がん予防を目的としたピロリ菌除菌療法は、ピロリ菌の感染期間が比較的短く、胃粘膜萎縮が軽度の若年者に対して、より積極的に行うべきであると考えられます。

 

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