ピロリ菌の治療

ピロリ菌の治療

当院における除菌療法

ピロリ菌の除菌療法とは、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。

 

2015年(平成27年)以降、当院で除菌療法に用いている治療薬の組み合わせは以下の表の通りです。

一次除菌 ボノプラザン(タケキャブ®) 胃酸の分泌を抑える薬
アモキシシリン 抗菌薬(抗生剤)
クラリスロマイシン 抗菌薬(抗生剤)
二次除菌 ボノプラザン(タケキャブ®) 胃酸の分泌を抑える薬
アモキシシリン 抗菌薬(抗生剤)
メトロニダゾール 抗菌薬(抗生剤)

当院において、上記の組み合わせによる一次除菌の成功率は100%です(2016年4月現在)。

 

「胃酸の分泌を抑える薬」をボノプラザン(タケキャブ®)に変更して以来、飛躍的に除菌成功率が高くなりました。

 

ボノプラザンは胃酸を強く抑えるため、除菌成功率を従来の70%から90%以上に改善することが報告されています。

 

一次除菌および二次除菌において、プロトンポンプ阻害剤(PPI)には薬剤によって除菌率に差がありません。ただし、プロトンポンプ阻害剤(PPI)とボノプラザンには除菌率に差があります。

 

どの組み合わせの除菌療法についても言えることですが、確実にピロリ菌を除菌するために、お薬は必ず処方通りに服用するようにしてください。

 

自分の判断で服用を中止すると、除菌に失敗して、治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれることがあります。

 

一次除菌療法でピロリ菌が除菌できなかった場合は、2種類の抗菌薬のうちの1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌療法を行います。

 

一次除菌療法で除菌できなかった場合でも、二次除菌療法をきちんと行えば、ほとんどの場合、除菌が成功するとされています。

除菌療法のポイント

保険適用でピロリ菌の治療を受けることができる方は次の6つ疾患です。

1.胃潰瘍の患者さん
2.十二指腸潰瘍の患者さん
3.胃MALTリンパ腫の患者さん
4.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の患者さん
5.早期胃癌に対する胃カメラ(内視鏡)的治療後の患者さん
6.ピロリ菌感染胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)の患者さん

除菌治療を行う前提として、「正確な疾患の診断」と「ピロリ菌感染の確認」が必要です。

 

従来から保険適用になっている上記①~⑤の5疾患については、胃カメラ(内視鏡)を含む診断のもとに、ピロリ菌の感染を判定した後、ピロリ菌陽性者に対して除菌治療を行います。

 

大部分の患者さんに該当する⑥の「ピロリ菌感染胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)」については、


A)医療機関において胃カメラ(内視鏡)を行って、ピロリ菌感染が疑われる「胃炎」と診断する。


B)いずれの感染診断法を用いても構わないが、「ピロリ菌に感染している」と診断する。

 

A)とB)の両方を満たすことによって「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」と診断され、除菌治療を行うことができます。

 

すなわち、ピロリ菌除菌療法を行うためには、「胃カメラ(内視鏡)」と「ピロリ菌感染診断」の2つの検査が必須となります。

 

例えば、健診や人間ドックで「ピロリ菌陽性」と判定された方で、その後の胃カメラ(内視鏡)検査で「胃炎」と診断された場合は、保険診療で除菌治療が可能になります。

 

詳しくは、「当院における診療の流れ」もご覧ください。

 

除菌に成功すると、胃・十二指腸潰瘍の治癒や予防だけではなく、胃がんをはじめとするピロリ菌関連疾患の治療や予防、さらには感染経路の抑制に役立つとされています。

 

例えば、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の人がピロリ菌に感染している場合、この除菌療法を行うことによって、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発がかなり抑えられることがわかっています。

 1年間に再発する人の割合
  胃潰瘍 十二指腸潰瘍
除菌できた場合 11.4% 6.8%
除菌できなかった場合 64.5% 85.3%

 

除菌療法を実施するのに年齢制限はありません。

 

感染ルート(祖父母から孫への口-口感染など)を抑制する意味からも必要性は高く、年齢に関係なく除菌することが望ましいと考えます。

除菌療法の注意点

高齢者の方には、様々な副作用についての十分な説明とご本人が除菌治療を受ける意思があることが重要となります。

 

二次除菌療法を先に試みることは現時点では保険診療では承認されていません。一次除菌が不成功の場合にのみ、保険適用となっています。

「アモキシシリン」、「クラリスロマイシン」、「メトロニダゾール」以外の抗菌薬は保険承認がとれていません。

 

わが国では、「レボフロキサシン」、「ガレノキサシン」、「シタフロキサシン」などのニューキノロン系薬剤や、「ミノサイクリン」、「ファロペネム」などが除菌療法として報告されていますが、いずれも保険外診療です。

 

現状、保険適用の除菌療法にはいずれもペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリンが含まれています。したがって、「ペニシリンアレルギーがある」と患者さんから申告されると、除菌治療薬を投与しにくいことは事実です。しかも、ペニシリンアレルギーを発現する頻度はおよそ3~7%と報告されており、決して少なくありません。

 

しかし、ウイルス感染症で生じた皮疹が、その際に投与されたペニシリンによって引き起こされたと判断される場合や、急性疾患時に投与された複数の薬剤の中で、本当にペニシリンが原因薬剤であったかどうか不明とされる場合もあります。

 

できる限りは保険診療の範囲で除菌治療するべきですが、明らかにペニシリンアレルギーを持つ患者さんの場合は、専門医による保険外診療になる可能性があり、慎重に対応することになります。それでも除菌が成功しない例があると考えられますが、そのような保険診療外の除菌療法が必要となる場合には、専門施設への紹介が望ましいと考えます。それでも三次除菌が必要となる症例がなくなるわけではなく、ペニシリンアレルギーも存在します。そのような保険診療外の除菌療法が必要となる方は、日本ヘリコバクター学会認定医のいる専門施設に相談されることが望ましいとされています。

 

二次除菌療法ではメトロニダゾール併用により、ワルファリン(ワーファリン®)の作用を増強し、出血傾向が現れることがありますので、ワルファリンを使用している患者さんは注意が必要です。

ピロリ菌の除菌療法を受ける患者さんへ

以下の項目にあてはまる方は、事前に必ず医師に申し出てください。

1.これまでに薬をのんでアレルギー症状を起こしたことのある方
2.ペニシリン等の抗菌薬を服用時に、ショック等の重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方
3.抗菌薬や風邪薬で副作用を経験したことのある方

ご予約・ご相談はお気軽に

身体のことでお悩みでしたら、北区天神橋にある天神橋みやたけクリニックまで、まずはお気軽にお問い合わせください。

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