甲状腺機能低下症の治療

甲状腺機能低下症の治療

甲状腺ホルモン(レボチロキサシンナトリウム水和物)の補充が治療の基本です。

血中甲状腺ホルモン濃度を正常化して、正常な代謝・身体機能を維持することが目標となります。
原発性甲状腺機能低下症(橋本病)では血中TSH濃度を指標に、中枢性ではFT4濃度を確認しながら投与量を調節します。
一過性の甲状腺機能低下を含めて甲状腺ホルモン補充が必要ではなくなる場合があります。無痛性甲状腺炎の回復期など一過性のことがあるので正確で慎重な診断が必要となります。
永続的なものでは甲状腺ホルモン補充療法を行います。
具体的には、T4製剤のレボチロキシンナトリウム水和物(チラーヂン®S、レボチロキシンナトリウム®)を使用します。
TSH濃度を指標にして2~4週毎にチラーヂン®Sを増量します。ただし、投与した量でTSH濃度がプラトーに達するのに2か月を要するとされており、あまり急激に増量すると過剰投与になります。

若くて体力がある患者さんの場合は、当初から必要量を投与することができます。
急激な代謝の改善による心臓への負荷が懸念される高齢者や心疾患を有する患者さんでは少量(通常チラーヂン®S 25μg/日)から開始して徐々に増量します。
適切に甲状腺ホルモンを補充すれば、日常生活に支障はありません。
治る病気ではなく、長期間服用しないと大きく体調を崩すことがあります。

潜在性甲状腺機能低下症は動脈硬化のリスクを高め、うつ病や認知障害とも関連する可能性があり、TSHが10μU/mLを超えると甲状腺ホルモン補充の必要があると考えられています。
産後などでは甲状腺機能低下が一過性の可能性があるため、甲状腺機能低下が高度でなければ経過観察します。
ただし、一過性が疑われる場合でも、甲状腺機能低下が高度な場合は甲状腺ホルモン補充が優先されます。
橋本病も稀に副腎皮質機能低下症を合併することがあり、血清ナトリウム濃度や末梢好酸球などでスクリーニングします。
キレート作用でT4製剤(チラーヂン®S)の吸収が悪くなる鉄剤、アルミニウム製剤などは時間をずらして服用するようにします。
ヨードの過剰摂取がある場合は摂取をやめて甲状腺機能が回復するかどうかを確認します。
海藻からのヨード過剰摂取によるものでは、診断後に海藻の摂取を控えるか、海藻の摂取を続けて甲状腺ホルモンを補充するかを選択してもらいます。

甲状腺疾患というだけで海藻摂取を控えている患者さんがいますが、甲状腺ホルモンを補充しているのに海藻摂取を控える必要はありません。
甲状腺機能低下症は医原性のものや萎縮性のものだけではなく、甲状腺腫を伴う橋本病でも永続的に障害にわたり、甲状腺ホルモン補充が必要となるケースが多いです。
ただし、破壊性甲状腺炎後以外でも橋本病の一部では機能が回復することがあるので、漫然と投与を続けずにTSHが下がってきて基準値内で安定している時は減量を試みます。

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