鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏状態が続くと、まず貯蔵鉄が減少し、次に血清鉄が減少し、最終的にヘモグロビン鉄が減少し、貧血となります。

 

つまり、貧血に至る前に「潜在的鉄欠乏状態」を経て、さらに鉄欠乏が進むと貧血が発症するということになります。実際に成長期の年齢層では、鉄の需要が高まることから、高率に鉄欠乏状態にあるものの、貧血に至ることは少なく、潜在的鉄欠乏状態にとどまっています。

 

閉経前の成人女性は、月経により定期的に鉄を失うことから、高頻度で鉄欠乏状態にあり、さらに潜在的鉄欠乏状態にとどまらず、10~20%が鉄欠乏性貧血を発症しています。

 

体内の鉄の貯蔵を最も鋭敏に反映する指標が血清フェリチン値です。

 

血清フェリチン値は組織フェリチン値を反映しており、鉄欠乏状態では低値を示し、鉄過剰状態では高値を示します。

 

鉄欠乏性貧血に至る前の「潜在的鉄欠乏状態」では、ヘモグロビン値は正常ですが、フェリチン値は低下しています。つまり、血清フェリチン値が12ng/mL未満であって、ヘモグロビン濃度が12g/dL以上であれば「貧血のない鉄欠乏状態」ということになります。 鉄欠乏性貧血の治療後の経過では、ヘモグロビン値が正常化した後にフェリチン値が正常化してきます。

したがって、鉄欠乏性貧血の治療においては、ヘモグロビン値の正常化した時点で直ちに鉄剤の投与を中止せずに、フェリチン値が正常化した時点で中止することにしています。

 

すなわち、鉄欠乏性貧血の診断と治療において、血清フェリチン値は主役となる検査項目であると言えます。

 

実際に、日本鉄バイオサイエンス学会は、鉄欠乏性貧血の診断基準として、以下を挙げています。(表がある)

  • ヘモグロビン 12g/dL
  • 総鉄結合能(TIBC) 360μg/dL以上
  • 血清フェリチン 12ng/ml以下

 

鉄欠乏性貧血の原因疾患としては、大きく3つ考えられます。

 

  • 鉄の喪失

   ○消化管出血(消化性潰瘍、憩室、痔核、消化器癌)

   ○女性の場合は子宮筋腫などによる月経過多

   ○肉眼的な血尿

  • 鉄の供給不足

   ○胃切除をしていないかどうか

   ○慢性胃炎がないかどうか(ピロリ菌に感染していないかどうか)

   ○ダイエットや偏食や拒食による摂取不足かないかどうか

  • 鉄の需要増大

   ○成長期、妊娠・授乳、過度な運動

 

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