上部消化管内視鏡検査
胃カメラとは
「胃カメラ」とは普段「胃カメラの検査」と言うことが多いですが、正式には「上部消化管内視鏡検査」といいます。当院では、直径5.8mmの細い内視鏡を用いて、食道、胃、そして十二指腸の一部を丁寧に詳しく観察します。当院の内視鏡は口から挿入することも、鼻から挿入することもできます。口から挿入することを「経口内視鏡」、鼻から挿入することを「経鼻内視鏡」といいます。検査前にジェル状の麻酔薬を使って鼻や口に丁寧に麻酔をかけます。また、当院では皆様に少しでも楽に検査を受けていただくために、軽い鎮静剤(麻酔ではありません)を注射する準備もしています。これまでに「胃カメラを受けてしんどかった」という方や「検査中にえづくのが嫌だ」という方には、うとうと寝ている間に検査を受けていただける方法をおすすめしています。検査時間は10分~15分程度です。必要に応じて、胃粘膜などの組織の一部を採取して病理診断を行います。
これを「生検」といいます。「生検」の結果には1週間程度を要します。また、検査時に胃粘膜の組織の一部を採取して「ヘリコバクター・ピロリ菌迅速検査」を行うこともできます。ピロリ菌判定には最長で2時間程度を要します。数十枚の写真を撮影し、検査終了後に写真を一緒に見ながら結果を説明します。
検査の流れ
1. 検査日を決めるための受診
まず、胃カメラの検査日を決めるための受診をしていただきます。
・医師による問診と診察
・看護師から検査の説明や検査前日と当日の準備などについての説明
・B型肝炎やC型肝炎などの感染症がないかどうかを調べる血液検査
・普段のんでいるお薬の内服についての指示
なお、絶食で来院される場合は、当日検査が可能である場合がありますので、前もってお電話でお問い合わせください。
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2. 検査当日
絶食で来院していただきます。
当日も医師が問診と診察を行い、検査できるかどうかを判断します。
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食道・胃の粘液や泡を少なくするために水薬をのみます。
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軽い鎮静剤の注射を使用する場合は、点滴の針を留置します。
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内視鏡室の検査用のベッドにあおむけになっていただき、
鼻やのどに麻酔をかけます。
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左向きに横になっていただき、検査を始めます。検査時間は10分~15分程度です。
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3. 検査終了後
・鎮静剤を使わない場合
・診察室に移って検査結果を説明します。
・鎮静剤を使った場合:
・30分~60分ほど休憩していただいてから検査結果を説明いたします。
・「生検」を行った場合:
・1週間後を目安に再度診察の時に、結果を説明します。
・「ヘリコバクター・ピロリ迅速検査」を行って結果が陽性だった場合:
・ピロリ菌除菌治療の説明をさせていただきます。
なお、ピロリ菌除菌に成功した方にも、年に1回の胃カメラをおすすめします。
鎮静について
鎮静剤の使用については、診察時に医師にご相談ください。
鎮静剤を使う場合は、点滴の針を留置させていただき、検査中は血圧と酸素飽和度と心電図で厳重にモニターいたします。鎮静剤は必要最小限しか使いませんが、検査後は30分~60分ほどお休みいただき、その後で検査結果を説明します。当日は自動車・バイク・自転車の運転をひかえていただきますので、ご注意ください。
炭酸ガスについて
通常、胃カメラの時は「空気」を送り込んで、おなかをふくらませて胃を広げてから詳しく観察します。
当院では、「空気」のかわりに「炭酸ガス」を使うことにより、検査中や検査後の「おなかの張り」を少しでも軽くすることにつとめています。「炭酸ガス」は「空気」に比べて、生体吸収性がとても優れていると言われ(空気の約200倍)、吸収された炭酸ガスは、すみやかに肺から排泄されるため、安全性も確認されています。実際に私自身も体験してみましたが、確かに楽でした。なお、炭酸ガスを使っても検査費用が変わることはありません。
内視鏡洗浄について
当院では、内視鏡を介した院内感染防止のために、検査後の内視鏡を流水と洗剤で十分に洗ったうえで、オゾン水を用いた内視鏡洗浄機で内視鏡の内部と外部を殺菌処理しています。オゾン水は電気の力で酸素と水から作られ、簡単に分解されて水と酸素に戻りますので、そのまま排出できます。オゾン水は医療だけではなく、多くの分野で殺菌洗浄に利用されています。また、殺菌洗浄の他に脱臭効果もあります。従来の消毒剤を使った内視鏡洗浄機とちがって、洗浄1回ごとに新鮮なオゾン水を使いますので、より清潔で安定した洗浄効果を実現できます。薬剤を使用しないので、患者さんの体に対して薬品による残留毒性などの心配がありません。体にも環境にも優しい内視鏡洗浄機です。
エコー検査
腹部エコー検査
腹部エコーとは、高い周波数の音波を腹部にあて、腹部臓器の状態を調べる検査です。胃や腸、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、大血管の様子を検査します。 脂肪肝、肝硬変、肝臓がん、肝血管腫、胆石、胆嚢ポリープ、膵炎、膵臓がん、腎臓結石、腎臓癌など多彩な疾患を診断することができます。
頸動脈エコー検査
頚動脈エコー検査とは、超音波によって頸動脈の内側に血栓(プラーク)がないかどうか、狭窄がないかどうか(血管壁の厚さ)を調べる検査です。 動脈硬化の評価や脳梗塞の原因となる血栓の存在などについて調べます。高脂血症、糖尿病、高血圧などの方たちに有益な検査です。
甲状腺エコー検査
超音波を用いて、甲状腺の大きさや腫瘍の有無・リンパ節の腫れを調べる検査です。バセドウ病、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍などの評価に有用で、頸部のリンパ節の病変のチェックにも有益な検査です。
その他の検査
X線レントゲン検査
胸部や腹部のレントゲン検査がおこなえます。 胸部の検査では、主に気管・肺などの呼吸器、心臓などの循環器等に病気があるかどうかを調べます。 腹部の検査では、主に食道、胃、小腸、大腸、泌尿器、婦人科などに関する病気があるかどうかを調べます。
心電図
心電図では心臓病の早期発見や心臓病の診断に使われます。心臓の リズム、心拍数、心房負荷や心室肥大の有無、心筋梗塞、 狭心症、心膜炎、不整脈などを診断します。身体に電極を取り付け、心臓の筋肉が収縮するときに発生する微弱な電流の変化を読み取り測定する検査です。
血液・尿検査
細菌感染・ウイルス感染など感染症の診断や重症度の判定、生活習慣病の早期診断や治療評価、貧血、肝臓機能の診断などに欠かせない検査です。
血糖検査
血糖検査(血液検査)では、主に血糖値の測定やヘモグロビン、グリコアルブミンなどの血液検査をおこないます。
ピロリ菌検査
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の粘膜に生息する、らせん形状の細菌を検査します。胃粘膜にピロリ菌が感染することで、栄養の吸収が阻害されます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、免疫性血小板減少性紫斑病等の原因にもなりますので、当院では、除菌療法をおこなうことをお勧めしています。
骨密度測定検査
骨密度測定とは、骨の中にあるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分が、どのくらいの量あるのかを計測するものです。このミネラル成分が不足してくると、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。中高年以上の女性に多くみられる骨粗鬆症の早期発見、治療効果の判定などにも、非常に重要です。
各種健診
各種健康診断を行っています。お気軽にご相談、お問合せください。