貧血のない鉄欠乏の治療
赤血球はつくられてから時間が経つと、網内系に取り込まれて破壊されます。
溶血性貧血は、赤血球の破壊の亢進による貧血です。
その原因は
- 網内系の赤血球の取り込み増加(血管外溶血)
- 循環血液中での破壊亢進(血管内溶血)
その結果、赤血球の寿命は120日間であるところが、100日以下に短縮しています。
溶血性貧血には様々な原因による疾患ですが、半数は自己免疫性溶血性貧血であり、1/4は発作性夜間ヘモグロビン尿症であり、17%が先天性溶血性貧血(大部分が遺伝性球状赤血球症)となっています。
それでは、溶血性貧血の診断について、具体的にみていきます。
網状赤血球の増加がある貧血には、出血による貧血と溶血性貧血の場合があります。
溶血性貧血は以下によって診断します。
- ヘモグロビン濃度低下
- 網状赤血球の増加
- 間接ビリルビン高値
- LDH高値
- ハプトグロビン低値
溶血性貧血と診断された場合、以下の疾患等が鑑別に挙がります。
- 自己免疫性溶血性貧血
- 遺伝性球状赤血球症
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症
- G6PD欠損症
これらの鑑別と確定診断には専門的検査が必要になるため、当院では溶血性貧血と診断した場合は、血液内科専門医がいる医療機関に紹介しています。