ビタミンCとは
ビタミンは生物の生存・生育に必要な栄養素のうち、炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラル以外の栄養素であり、微量ではありますが、生理作用を円滑に行うために必須な有機化合物の総称です。
ほとんどの場合、体内で合成することができないので、主に食料から摂取され、ビタミンが不足するとビタミン欠乏症が生じます。
ビタミンの所要量が定められており、欠乏症を起こさない必要量と、尿中排泄量の飽和値によって見積もられています。
ビタミンはその化学的性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類されます。ビタミンCは水溶性ビタミンに分類されます。
水溶性ビタミンにはビタミンCとビタミンB群があります。
ビタミンCの推奨摂取量は100mgであるため、食事からの摂取が可能です。
ただし、ビタミンCの尿への排泄は極めて速く、サプリメント摂取者で4500mg程度が蓄積されていますが、それ以上に蓄積されることはなく、特に過剰症はありません。
ビタミンCの体内動態を考えると、1日に何回かに分けて摂取するのがよいとされています。
ビタミンCが壊血病を起こすことはよく知られています。15世紀のバスコ・ダ・ガマのインド航路発見の航海においては、180人の船員のうち半数以上が壊血病によって死亡したと伝えられています。
18世紀になると、新鮮な野菜や果物、特にミカンやレモンを摂ることによって壊血病の予防ができることが発見されました。
20世紀になると、オレンジ果汁から抗壊血病因子を抽出され、これをビタミンCと呼ぶことが提案されました。そして、1933年にビタミンCの構造式が決定されてアスコルビン酸と命名されました。
少し詳しく言うと、ビタミンCとは、化学的にはアスコルビン酸のL体のみを指します。
ちなみにアスコルビン酸のD体はエリソルビン酸と呼ばれ、抗酸化力はありますが、生体内ではビタミンCとしての活性はほとんどありません。人工的に合成されたものが、酸化防止剤として食品添加物として利用されています。