ビタミンCの作用

高濃度ビタミンC点滴のポイント

「高濃度ビタミンC点滴に期待される効果」でも説明しましたが、ビタミンCの作用についてもう少し詳しく説明します。

① コラーゲン生成の促進

コラーゲンは三つ網状の線維で、腱、骨、皮膚、血管壁や様々な内臓器官の支持組織を構成する「結合組織」の主要成分です。

 

ヒドロキシプロリンはコラーゲンの主要な成分であり、プロリンとともにコラーゲンの立体構造を安定させる機能を持っています。

 

ビタミンCの主な作用として、特定の酵素を助ける「補酵素」としての作用があります。特に、コラーゲンを合成するための酵素の働きを助けます。

 

ビタミンCは、プロリンをヒドロキシル化してヒドロキシプロリンにする反応を進める酵素である「プロリルヒドロキシラーゼ」の補酵素(補因子)として働きます。補因子としては、鉄も必要とされます。

 

ほとんどの動物はブドウ糖からビタミンCを作ることができますが、ヒトはこの能力を失ってしまい、ビタミンCを体内で作ることができません。

 

ビタミンCが不足するとコラーゲン中のヒドロキシプロリンの割合が少なくなってコラーゲンの安定性が低下し、壊血病を引き起こすことになります。

 

つまり、ビタミンCが不足するとコラーゲンの同化が進行せず、歯のぐらつき・血管の脆弱化・皮膚からの出血・ケガの回復や免疫機能の低下・軽度の貧血など、壊血病の諸症状を呈するようになります。

 

壊血病とは、血管がもろくなって、歯茎や内臓から出血が起こり、やがて死に至る病気です。

 

同様に、コラーゲンを多く含む骨に対しても影響を与えることになります。

② 活性酸素や過酸化脂質の分解

ビタミンCは強い還元能力を持っています。スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシラジカル、過酸化水素などの活性酸素類を除去します。

 

また、フリーラジカル処理のために自らがフリーラジカルとなったビタミンEラジカルを元のビタミンEに再生する作用もあります。


このため、抗酸化作用を期待する場合には、ビタミンCとビタミンEの両方が存在することが重要です。この点については、「ビタミンCと抗酸化作用」の項でもう少し詳しく説明します。

③ カルニチンの合成

カルニチンは生体内で脂質を燃焼してエネルギーを産生する時に、脂肪酸をミトコンドリア内部に運搬する役割を担っています。

 

体内においては、カルニチンは主に肝臓、腎臓において、アミノ酸のリジンとメチオニンを元にして生合成されますが、その際にビタミンC、鉄、ビタミンB6、ナイアシンが必要とされます。

④ 免疫力の向上

ビタミンCは免疫システムを刺激し、免疫機能の働きを助け、免疫力を高めます。

 

具体的には、インターフェロンγの産生増加、マクロファージの食作用亢進、NK細胞数(ナチュラルキラー細胞)の増加と遊走能亢進などを誘導します。

⑤ 抗ストレス効果

副腎などで多くの抗ストレスホルモンの合成に関与しています。

⑥ その他

ビタミンCについては次のような働きも報告されています。

  • 生体異物を代謝するシトクロムP450の活性化
  • チロシンからノルアドレナリンの変換(ヒドロキシル化反応)
  • コレステロールから胆汁酸の合成(血中コレステロールを低下させる)
  • ミトコンドリア機能の正常化
  • P53遺伝子の安定化や障害の抑制
  • 体内の汚染物質を尿から排泄促進(デトックス効果)
  • ミネラル類の吸収促進(腸管での鉄、銅、カルシウムの吸収を高める)
  • 疼痛緩和
  • 発がん物質であるニトロソアミンの生成を抑制します。

 

ご予約・ご相談はお気軽に

身体のことでお悩みでしたら、北区天神橋にある天神橋みやたけクリニックまで、まずはお気軽にお問い合わせください。

  • 内視鏡2内視鏡
  • 生活習慣生活習慣

  • tel_06-6809-7295.png
  • 人間ドック検診
  • ドクターズ1ドクターズ1
  • ドクターズファイル2ドクターズファイル2
staff staff blog