検査・診断
痛風患者さんの血液検査では、尿酸高値と炎症反応陽性(白血球高値、好中球高値、CRP高値)を示します。
ただし、痛風発作時においては炎症性サイトカインなどの作用により、「血清尿酸値はむしろ低値を示すことがある」ので十分に注意が必要です。
痛風の有無にかかわらず、血清尿酸値が7.0mg/dL以上を示せば高尿酸血症と診断します。
当院では行いませんが、関節液検査という検査もあります。痛風関節炎の関節から採取した関節液中に尿酸1ナトリウム針状結晶を認め、顕微鏡で確認すると診断はさらに確実となります。また、この結晶が顆粒球やマクロファージに貪食されている像が痛風の診断上重要であるとされています。また、痛風結節(尿酸塩による肉芽腫)が認められ、穿刺または生検により同部位から尿酸塩を証明すれば確実な診断根拠になります。
痛風の鑑別診断には関節部に同様の症状を認める疾患が全て含まれます。
代表的な疾患として、関節リウマチ、偽痛風、感染性関節炎、蜂窩織炎、外反母趾などが挙げられます。
表1に米国リウマチ協会の診断基準を示します。1または2、または3のうち6項目以上を満たす時、痛風と診断します。当院では、以下の表1をアレンジした痛風チェックシートを作成して、問診の際に患者さんに記入してもらっています。
<表1>
1.尿酸塩結晶は関節液中に存在すること
2.痛風結節の証明
3.以下の項目のうち6項目以上を満たすこと
a.2回以上の急性関節炎の既往がある。
b.24時間以内に炎症がピークに達する。
c.単関節炎である。
d.関節の発赤がある。
e.第一MTP関節(左足もしくは右足の親指の付け根)の疼痛または腫脹がある。
f.片側の第一MTP関節(左足もしくは右足の親指の付け根)の病変である。
g.片側の足関節の病変である。
h.痛風結節(確診または疑診)がある。
i.血清尿酸値が上がる。
j.X線上の非対称性腫脹がある。
k.発作の完全な寛解がある。