重症化と合併症

重症化と合併症

前述した重症化と合併症(新たな他の病気)について少し説明します。

 

インフルエンザの合併症には、中耳炎、副鼻腔炎(ちくのう症)、気管支炎、肺炎、脳症、ライ症候群、心筋炎など、または基礎疾患の悪化が挙げられます。

 

特に肺炎と脳症は急に重症化します。

 

インフルエンザが重症化し、肺炎などの合併症をきたすリスクが高い人(ハイリスク群と言います)とは、慢性肺疾患(喘息、COPDなど)、免疫不全状態(自己免疫疾患やステロイド内服中など)、慢性心疾患、糖尿病、慢性腎疾患、慢性肝疾患、血液疾患、神経筋疾患、癌治療中の患者さんなど、もともと何らかの慢性的な病気を持っている人であり、もともとの病気自体が悪化することに対しても注意を払う必要があります。

 

妊婦、出産直後の女性、乳幼児、高齢者、介護施設に入っている人、著しい肥満の人も重症化するリスクが高いとされています。

(1) インフルエンザに伴う肺炎

インフルエンザウイルス自体によるウイルス性肺炎と細菌性肺炎があります。

 

ウイルス性肺炎は3日以内に急速に進行し、呼吸不全になります。発熱、呼吸困難、チアノーゼが出現します。新型インフルエンザの際に多くみられ、若年者にも発症する可能性があります。

 

細菌性肺炎は高齢者やハイリスク群に多く発症します。発熱やせきが長引いて、ウイルス性肺炎と合併するウイルス細菌混合性肺炎と、症状が一時的に軽くなった後に再び悪化する二次性細菌性肺炎があります。痰は膿性となり、原因となる細菌としては、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌が多いです。胸部X線検査や細菌学的検査を行います。

(2) インフルエンザ脳症

インフルエンザにかかった後に発症する意識障害を主な症状とするとする病気で、子どもに多く、急な経過で悪化し、死亡や後遺症を残すこともある重い合併症です。脳症の初発症状は、けいれん発作か意識障害(傾眠または異常行動・言動)です。専門的治療が可能な医療機関に搬送する必要があります。なお、2009年に「インフルエンザ脳症ガイドライン」が厚生労働省の研究班から示されています。


2009年の新型インフルエンザの大流行(パンデミック)では学童期に多く発症し、軽度の意識障害や異常な行動が現れ、基礎疾患に喘息が多かったことが明らかになっています。


また、解熱剤のジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンR)やメフェナム酸(商品名:ポンタールR)、アスピリン(商品名:アスピリンR)などは脳症の増悪要因とされ、小児ではこれを用いてはならないことになっています。
 
 

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