当院における中性脂肪(トリグリセリド)の治療方針についてお知らせします

当院における中性脂肪(トリグリセリド・トリグリセライド)の治療方針についてお知らせします。

以下、ポイントごとに箇条書きとなります。

・ 中性脂肪はトリグリセリド、もしくはトリグリセライドとも呼ばれています。

・ この記事では表現を「中性脂肪」で統一します。ご了承ください。

・ 中性脂肪が高値であれば、「脂質異常症」と診断されます。LDLコレステロールが高値である場合と同じ診断名になりますが、実は治療方針は全く異なります。この点が患者さんの混乱を招く要因になります。

・ 中性脂肪は、実際にはとても数値の変動が激しい検査項目です。前日の食事状況や飲酒状況にも大きく左右されます。

・ 人間ドックや健診では、原則として空腹時に採血を行います。そのため結果には、「空腹時の中性脂肪」が記載されます。

・ 当院のようなクリニックを受診する場合、皆さんが「空腹時」に受診されるとは限りません。「昨夜は飲み会があって、飲み過ぎて食べ過ぎてしまって…」と正直に申告してくださる患者さんも多くいらっしゃいます。

・ 中性脂肪の正常上限は150mg/dlです。この数値を超えると、「脂質異常症」と診断されます。

・ やや細かい話になりますが、脂質異常症のガイドラインでは、中性脂肪が500mg/dlを超えた場合に治療介入する(薬物療法を導入する)という方針になっています。その理由は、中性脂肪が500mg/dlを超えると急性膵炎を発症するリスクが高まるからです。

・ では、中性脂肪が150-500mg/dlの患者さんはどうしたらいいのでしょうか。しかも、その中性脂肪を空腹時に測定したものではない場合は…。

・ 中性脂肪は動脈硬化のリスク因子とされています。

・ 中性脂肪は肝機能障害や脂肪肝との関連も指摘されています。

・ 実は最近、中性脂肪には「非空腹時」という考え方が導入されました。「非空腹時」には明らかに中性脂肪の数値が上昇するからです。

・ 前述したように、中性脂肪は「空腹時」と「非空腹時」で明らかに数値が異なります。

・ 様々な要因と情報をふまえて、変動の激しい中性脂肪の治療方針について、当院では現時点では以下のように決めました。

・ 中性脂肪:150~300mg/dl→ 経過観察します。採血は2~3か月に1回とします。

・ 中性脂肪:300~500mg/dl→ 合併する疾患の病状により薬剤による治療介入します。脂肪肝(肝機能障害)、高血圧症、脂質異常症(LDLコレステロール高値)、糖尿病、肥満症、喫煙など。炭水化物(糖質)の摂取量に注意していただき、飲酒量を管理していただきます。

・ 中性脂肪;:500mg/dl以上→ 前述したように急性膵炎のリスクがありますので、薬物による治療介入を行います。

・ 処方する薬剤は、「パルモディア」という薬剤です。0.2mg/日から開始して、病状により0.4mg/日まで増量可能です。作用機序から考慮して、脂肪肝(肝機能障害)に効果があるとの見解もありますので、当院では「脂肪肝(肝機能障害)」を伴う患者さんに処方する場合があります。

・ パルモディアで効果が不十分な場合は、ω3脂肪酸製剤を併用します。

・ 当院の中性脂肪に対する治療方針は適宜更新していきます。よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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