13. 睡眠時無呼吸症候群(SAS / サス)と高血圧症2
・ 続きです。
・ それでは、なぜ、睡眠中の無呼吸状態が、血圧を上昇させるのでしょうか?
・ それには、睡眠と自律神経と血圧が密接に関連しています。
・ 無呼吸状態から呼吸が再開するとき、身体は寝ている状態でも脳は起きた状態になります(覚醒反応)。
・ 同時に、睡眠が一時的に中断した状態になり、交感神経が亢進することで血圧が上昇します。
・ 本来、寝ている間は、副交感神経が優位なのですが、閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)はこうした無呼吸・呼吸再開のパターンを繰り返すため、交感神経が活性化され、血圧変動が持続します。
・ 夜間に血圧低下が少ない、あるいは逆に昼間に比べて夜間に血圧が上昇を示すケースでは、夜間に血圧が低下する正常型と比較して心血管疾患のリスクが高いことも明らかになっています。
・ 日本高血圧学会や米国高血圧学会の診療ガイドラインでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS / サス)が二次性高血圧の原因疾患のひとつに位置付けられています。
・ 二次性高血圧は何か別の疾患に付随して生じているので、一般的な降圧剤が効きにくいという特徴があり、かつ原因となる疾患にうまく対処すれば、血圧をうまくコントロールできる場合が多くあります。
・ 睡眠時無呼吸症候群(SAS / サス)によって生じている高血圧の場合、適切にSASを治療すれば高血圧の改善も望めるのです。
・ 続きます。