6. 脂質異常症:コレステロールとは?
・ 前回の続きです。
・ そもそも、コレステロールとはいったい何でしょうか。
・ コレステロールは体をつくる材料になります。
・ 人間の体は無数の細胞が集まって構成されています。
・ その一つ一つの細胞膜をつくっているのが、コレステロールとリン脂質という物質です。
・ ほかにも、コレステロールはホルモンの材料として使われたり、消化液の一種である胆汁酸の材料にもなったりもしています。
・ このように体のさまざまな部分で役に立っているコレステロールは、1日に約1~2gが必要だと言われています。
・ 体で必要になるコレステロールの約30%は、摂取した食物から吸収されます。
・ 食物を食べると、その中に含まれるコレステロールが体内に吸収されます。
・ 吸収される量は食事の内容や量に影響を受け、日によって変化します
・ 食物に含まれるコレステロールは小腸で吸収されます。
・ 小腸で吸収されたコレステロールは、リポタンパクの一種であるカイロミクロンなどによって肝臓および全身に運ばれていきます。
・ 残りの約70%のコレステロールは、主に肝臓で合成され、他に一部小腸、副腎、皮膚など全身で合成されています。
・ 材料となるのは、糖質、脂肪酸、アミノ酸が分解されてできた物質です。
・ 肝臓は、食事から吸収したコレステロール量と血中LDL由来のコレステロール量に応じて、コレステロールの合成やLDLの取り込みを調整しています。
・ 食物から摂取した量が多いときには合成する量を減らすなど、肝臓にはコレステロールの量を調整する働きもあります。
・ この調整ができなくなると、LDLコレステロール値が高くなるのです。
・ このように、食事から吸収されたコレステロールは肝臓に運ばれ、肝臓で合成されたコレステロールとともに必要に応じて全身に送り出されます。
・ コレステロールを材料にして、肝臓で胆汁がつくられます。
・ 胆汁は胆管を通って小腸に分泌され、脂質の消化を行います。
・ 吸収されたコレステロールと合成されたコレステロールは、血液に乗って全身の組織に運ばれ、細胞膜やホルモンの材料として使われます。
・ ただし、増えすぎると動脈硬化を引き起こす原因となります。
・ 続きます。