11. 脂質異常症:超悪玉コレステロール
・ 前回の続きです。
・ 皆さんもこれまで述べてきた「悪玉コレステロール」「善玉コレステロール」という2種類のコレステロールについてはご存じかと思います。
・ しかし、近年注目されている「超悪玉コレステロール」という存在をご存じでしょうか?
・ 動脈硬化と、それによる心筋梗塞や脳卒中などのリスクの程度を計るものとして、LDLコレステロールが重要視されています。
・ LDLは、血管壁の内側に入り込んでコレステロールを蓄積させる「悪玉」として知られています。
・ しかし、実はLDLコレステロールにはさまざまサイズがあり、中でも、より小さくなって血管壁の内側に侵入しやすいものが「超悪玉コレステロール」と呼ばれ、最も危険とされています。
・ 超悪玉コレステロールは正式名称「small dense LDL(スモール・デンス・エルディーエル)」といい、「sd-LDL」と略されます。「小型化LDL」とも呼ばれます。
・ sd-LDL(小型化LDL)はLDLコレステロールがより小さくなった粒子であり、LDLコレステロール以上に血管壁の内側に入り込みやすいだけでなく、酸化されて毒性を示しやすく、さらに長時間血液中に留まりやすいという厄介な性質を持っています。
・ その結果、sd-LDL(小型化LDL)は通常のLDLコレステロール以上に動脈硬化を強く進行させます。
・ また、一般的な健康診断や保険診療では測定しない項目であることに加え、小型のためにLDLコレステロール値やHDLコレステロール値に影響しにくいため、気が付かないうちに血液中にたくさん増えてしまう可能性もあります。
・ 医療機関によっては、人間ドックなどのオプション検査としてsd-LDL(超悪玉コレステロール)を調べられる場合もあります。
・ 続きます。