17. 脂質異常症:家族性高コレステロール血症 その2
・ 前回の続きです。
・ 家族性高コレステロール血症は、親からどのように遺伝子を受け継ぐかによって、ホモ型とヘテロ型に分類されています。
・ ホモ型は父親と母親の両方に遺伝子変異がある場合に発症するので、頻度は高くありません。
・ しかしヘテロ型は、両親のどちらかに一方に遺伝子変異がある場合に発症するため、300人に1人ほどの高い頻度で起こります。
・ 脂質異常症は、基本的に自覚症状がありません。
・ ただし、家族性高コレステロール血症の場合、LDLコレステロール値の高い状態が続くことで、目に見える特徴的な症状が現れることがあります。
・ それが、皮膚の下や腱などにコレステロールがたまることでできる黄色腫です。
・ 黄色腫は体のいろいろな部位にできますが、特によくみられるのがアキレス腱の肥厚です。
・ コレステロールがたまることで、通常は太さ6mm程度のアキレス腱が、男性で8.5mm、女性で8.0mm以上になります。
・ 黄色腫は、ほかにもひじ、ひざ、足首、足の甲、手・指、眼瞼にできることがあります。
・ 家族性高コレステロール血症は遺伝性要因によって発症するため、生活習慣とは関係なく、子どもの頃からLDLコレステロール値が高くなります。
・ ヘテロ型では170~180mg/dL以上、ホモ型ではそれ以上になるケースも少なくありません。
・ このような状態が続くため、子どもの頃から動脈硬化が進行し、若いうち心筋梗塞などの冠動脈疾患が起こるケースもあります。
・ そうした事態を防ぐには、できるだけ早い段階で病気を発見し、治療を開始することが大切です。
・ 親が家族性高コレステロール血症の場合はもちろん、家族の中に男性で55歳未満、女性で65歳未満の比較的若い年齢で冠動脈疾患が起こった人がいる場合も、遺伝的要因が関係している可能性があります。
・ 続きます。