24. 脂質異常症:治療 その2
・ 前回の続きです。
・ 脂質異常症のうち、高LDLコレステロール血症に対する第一選択薬は「スタチン」です。
・ LDLコレステロール値が高い場合、基本的にはまずスタチンが用いられます。
・ スタチンは代表的な薬であり、脂質異常症の薬物療法で最も広く使用されています。
・ スタチンはLDLコレステロール値を下げる効果が高く、長期間服用しても副作用が少ない薬剤です。
・ LDLコレステロール値やnon-HDLコレステロール値が高い場合に使用されますが、一部、中性脂肪値を下げる作用もあります。
・ 作用の仕組みとしては、コレステロールの合成に必要な酵素(HMG-CoA還元酵素)の働きを妨げます。→コレステロールが不足するため、血液中のLDLを細胞内に取り込もうとする働きが促進されます。→その結果、血液中のLDLコレステロール値が下がります。
・ スタチンは作用の強さによって「スタンダードスタチン」と「ストロングスタチン」に分けられます。
・ 「スタンダードスタチン」で十分な効果が得られない場合は、 「ストロングスタチン」への変更を考えます。
・ それでも十分に下がらなければ、スタチンと他の薬を併用します。
・ スタチン以外に、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、陰イオン交換樹脂、プロブコールという作用の異なる薬もあります。
・ また、家族性高コレステロール血症やスタチンの効果が不十分だったなどの場合は、LDLコレステロール値を強力に下げる作用があるPCSK9阻害薬、PCSK9の合成を抑制する持続型LDLコレステロール低下siRNA製剤、MTP阻害薬(難病に指定されているFHホモ接合体に適応)などが用いられることがあります。
・ 続きます。