26. 脂質異常症:治療 その4

・ 前回の続きです。

・ 脂質異常症に対して、スタチンを服用しても治療効果がすぐに現れない場合もあります。

・ スタチンを服用してもLDLコレステロール値が管理目標値に達しない場合は、次のように対応しています。

・ スタチンは作用の強さによって「スタンダードスタチン」と「ストロングスタチン」に分けられます。

・ 「スタンダードスタチン」で十分な効果が得られない場合は、「ストロングスタチン」への変更を考えます。

・ それでも十分に下がらなければ、「ストロングスタチン」と他の薬を併用します。

・ よく選ばれるのは、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬や陰イオン交換樹脂です。

・ LDLコレステロールと中性脂肪値の両方が下がらない場合

・ スタチン、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、フィブラート系薬、選択的PPARαモジュレーターのいずれかを用います。

・ より強い効果を期待して、スタチンと小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、スタチンとニコチン酸誘導体などの併用が行われる場合もあります。

・ 脂質異常症の薬剤は、のみ合わせやのみ忘れに注意してください。

・ 一部のスタチンでは、グレープフルーツジュースと一緒にとることで血中濃度が上昇し、思わぬ作用が生じることがあります。

・ また、陰イオン交換樹脂とスタチンを併用する場合、一緒に服用すると腸内でスタチンが吸着され、便として排出されてしまいます。

・ それを防ぐために、食前に陰イオン交換樹脂を、食後にスタチンを服用します。

・ 薬をのみ忘れた時は、その日のうちなら気づいた時点で服用してもかまいません。

・ ただし、翌日に2日分を服用することは避けましょう。

・ 続きます。

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