27. 脂質異常症:治療 その5
・ 前回の続きです。
・ 脂質異常症の薬物治療を受けるにあたって、皆さんが心配されるのは副作用の問題だと思います。
・ 特に強調されることが多いスタチンの副作用「横紋筋融解症」が起こるのは、約10万人に1人です。
・ 筋肉の細胞が壊れる「横紋筋融解症」という副作用を恐れ、スタチンの服用をためらう人がいるようです。
・ しかし、この副作用が現れるのは、スタチン服用者の約10万人に1人の割合です。
・ ここが最も大事な点ですが、スタチンを服用していて筋肉痛やこむら返りが起こると「横紋筋融解症かも」と思って受診される方がいますが、筋肉痛やこむら返りがあるからといって、「横紋筋融解症」であるとは限りません。
・ 「横紋筋融解症」が起こると、筋肉の細胞が壊れてミオグロビンという物質が放出され、腎臓など多くの臓器に影響を及ぼします。
・ 特徴的な変化としては、血清CK値(クレアチンキナーゼ値)が正常値の10倍以上になったり、尿が茶褐色になったりします。
・ CK(クレアチンキナーゼ)は主に筋肉の細胞に含まれている酵素で、筋肉がダメージを受けると血液中に流出します。
・ 当院では、脂質異常症治療中の患者さんには、必ずこのCK(クレアチンキナーゼ)を血液検査で測定していますので、ご安心ください。