1. 脂肪肝:脂肪肝とは?
・ 脂肪肝とは、肝細胞の30%以上に中性脂肪が蓄積された状態です。
・ 肝臓に負担がかかり、肝機能が低下し、肝硬変や肝がんに進行する場合があります。
・ 肝細胞にはエネルギー源として中性脂肪が蓄えられていますが、その割合は3~10%程度が適正です。
・ 脂肪肝は、肥満、過食、アルコールなどの原因により2つのタイプに大別することができます。
・ NASH(現在ではMASHと呼びます)とアルコール性脂肪肝は、肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。
・ 非アルコール性脂肪肝は、過食(食べ過ぎ)や肥満、運動不足などが原因で、余分な中性脂肪が肝臓の細胞内に溜まっている状態です。
・ アルコール性脂肪肝は、お酒の飲み過ぎが原因です。アルコールの解毒や代謝の際に、中性脂肪が増えて肝臓の細胞内に溜まります。
・ 非アルコール性脂肪肝は、単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分類されていました。
・ 単純性脂肪肝は進行しないことが特徴です。
・ 単純性脂肪肝は、放置しても脂肪肝の状態にとどまり、極端に病状が悪化することはありません。
・ ただ、血液中の脂肪やコレステロールも増えていると考えられるので、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクがあります。
・ 単純性脂肪肝は、生活習慣病のサインとして軽視できません。
・ 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とアルコール性脂肪肝は、炎症や線維化が進行することが特徴です。
・ 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を放置すると、肝細胞の炎症が進行し、破壊と再生を繰り返すことによって、その部分が硬くこわばっていきます。これを「線維化」といいます。
・ 線維化が進行すると、肝臓が硬く小さくなるとともに構造そのものが変わり、肝臓としての働きが失われていきます。これが「肝硬変」です。
・ 肝硬変を放置すると、やがて肝がんを発症することもあります。
・ 「進行しない」と言われてきた非アルコール性脂肪肝の一部に、放置すると肝炎や肝硬変、肝がんに進行するタイプがあることがわかってきました。
・ これが「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non-alcoholic SteatoHepatitis)です。
・ 理由ははっきりわかっていませんが、肥満や糖尿病があるとNASHになりやすいと言われています。
・ 非アルコール性、アルコール性のいずれも自覚症状はありません。
・ 自覚症状が出るのは、肝硬変などがかなり重症化してからです。
・ 続きます。