《《 帯状疱疹ワクチンについて 》》
本年12月、厚生労働省は高齢者(65歳以上)を対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種を実施することを決めました。
当院では、昨年3月に帯状疱疹ワクチンに関するお知らせを公開していますので、再掲載いたします。
この機会に、帯状疱疹ワクチン接種を検討される方は、ぜひ当院にご連絡ください。
帯状疱疹にならないためには日頃から体調管理をこころがけて、免疫力が低下しないようにすることが大切です。
その他に私たちが打てる手立てとして、現在は50歳以上であれば帯状疱疹ワクチンの予防接種を受けることができます。
なぜ50歳以上からというと、帯状疱疹の発症率が50歳以上で増加し、その理由は、加齢に伴って身体に備わった免疫力が低下するからです。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症するとされています。
逆に言えば3人に2人は発症しないとも言えます。この数字をどうとらえるかは人によると考えられます。
加齢とともに帯状疱疹の発症数が増えることは間違いありませんから、これに対抗するために免疫を下げない努力をすることは必須です。
以前、帯状疱疹になった方もワクチンを接種できます。
一度帯状疱疹になった人でも、体の免疫力が低下すると、再び発症する可能性があり、帯状疱疹の予防が大切です。
帯状疱疹ワクチンは2種類あり、価格や効果の面で一長一短です。
1つは生ワクチン「ビゲン」、もう一つは不活化ワクチン「シングリックス」です。
まずひとつ目の生ワクチン「ビゲン」ですが、もともと小児ワクチンであるため、成人に対しての有効性(予防効果)は約50~60%程度です。
・ワクチンの接種は1回接種。
・効果の持続期間は5年程度です。
・当院における接種費用は8800円(税込)です。
・皮下注射です。
もう一つは不活化ワクチン「シングリックス」です。
50歳以上が対象の帯状疱疹を予防するための不活化ワクチンで、「より強くより長く」を目的として開発されました。
シングリックスは、細胞性免疫、液性免疫の両方を惹起するワクチンです。帯状疱疹を発症した後の患者さんにも効果があります。
日本では2016年から、この予防効果が高い帯状疱疹ワクチン(シングリックス)が発売されています。比較的新しいワクチンです。
そのため、シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は50歳以上で97%、70歳以上で90%と報告されていますが、その存在を知らない人が多いようです。
・ワクチン接種は2回接種
・持続期間9年以上
・当院における接種費用は1回22000円(税込)、2回で44000円(税込)です。
・筋肉注射(筋肉注射の方が皮下注射に比べて副反応が軽いためです)。
・シングリックスは2か月間隔で2回の接種が必要です。
(最長でも6か月後までに2回目を接種していただきます。1回だけでは帯状疱疹に対する予防効果が不十分ですのでご注意下さい。)
副反応について
接種前に副反応について説明して同意を得ています。
①多くの方に注射部位に痛みや腫れがあらわれますが、これは、体内で強い免疫をつくろうとする仕組みが働くためと考えられます。
②副反応は接種翌日に出ることが多いので接種は休日前が向いています。
③シングリックス接種後7日間に起こった主な副反応は、注射した部位に生じる痛み、赤み、腫れです。注射部位以外は、筋肉痛、疲労、頭痛、悪寒、発熱、胃腸症状を認めています。
副反応の多くは3日以内でおさまりますが、気になる症状があれば、医師にご相談ください。
接種後は以下の点に注意が必要です。
1. 接種後15-30分程度は、接種した施設で安静にしていましょう。体調の変化がないことを確認してから帰宅していただきます。
2. 接種当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。接種当日の入浴はさしつかえありません。
3. 注射部位の異常な反応や体調の変化を感じた場合は、医師の診察を受けてください。
次の方は予防接種を受けることができません。
1. 明らかに発熱(37.5℃以上)している方
2. 重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
3. 過去にこのワクチンの成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
4. その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方
なお、シングリックス接種日とコロナワクチン接種は前後で2週間あけて下さい。
帯状疱疹ワクチン接種を希望される場合は、当院にご相談下さい。
帯状疱疹については詳しくはこちらへ:「帯状疱疹予防.jp」