脂肪肝とは?
・ 脂肪肝とは「肝細胞の細胞質中に脂肪滴が溜まることによって肝障害が引き起こされる病気」です。
・ 自覚症状がほとんど全くないため、健診や人間ドックで腹部エコー検査を受けて初めて「脂肪肝です」と指摘されるケースがほとんどです。
・ 実は、悪化すると深刻な病状に進展する病気なのですが、自覚症状がないため放置されているケースがほとんどだと思われます。
・ 脂肪肝は、ひとつひとつの肝細胞内に脂肪が溜まっていき、肝細胞が風船のようにふくらむので肝臓のサイズが大きくなっていきます。これを「肝腫大」といいます。
・ 当院では、腹部エコー検査の際に右季肋下で肝臓のサイズを測定して肝腫大の有無を確認しています。肝右葉のサイズが14~15cm以上の場合、肝腫大があると判断しています。
・ 腹部エコーで「肝腎コントラスト陽性」「深部減衰」「肝腫大」を認めると、脂肪肝の診断はほぼ確定します。
・ さらに当院では、脂肪肝の評価のために「フィブロスキャン」を施行して、「肝臓の硬さ:肝硬度」と「肝臓の脂肪量」を測定しています。
・ 脂肪肝は飲酒が原因であるイメージがありますが、お酒を全く飲まない人にも起こります。
・ 「非アルコール性脂肪肝」の判断基準はエタノール換算で、女性20g/日、男性30g/日以下です。アルコールの毒性は男女差があり、女性の方が男性より強く現れる傾向があります。
・ 例えば女性の場合、1日平均の飲酒量が5%ビール500ml1本分以下なら、非アルコール性ということになります。
・ この「非アルコール性脂肪肝」の患者数増大が、日本を含めて世界中で大きな問題になっています。
・ 脂肪肝の1~2割の方は「脂肪肝炎」に進行します。
・ 「脂肪肝炎」は進行性で、肝硬変や肝臓がんの原因になることが知られています。
・ 「脂肪肝炎」による肝硬変は、日本だけでなく、世界中で罹患者数が急増しています。
・ 専門的に細かく言うと、脂肪肝にはいろいろな呼称があるのですが、ざっくりと「数種類ある」と覚えてもらった方が理解しやすいと思います。ここでは「脂肪肝」として説明をめていきます。















      