ピロリ菌とは

ピロリ菌とは

ピロリ菌ピロリ菌の正式名称はHelicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)といいます。

 

1983年にオーストラリアのワレンとマーシャルという医師が胃の粘膜からの培養に成功し、「ピロリ菌が胃の中に生息していること」を報告しました。

 

ピロリ菌は慢性胃炎や胃潰瘍や十二指腸潰瘍の病原体と提唱され、その後の研究によって胃がんの原因になることも判明しました。

ピロリ菌の特徴は以下の通りです。

1.長さが2.5~5.0µmのグラム陰性のらせん状桿菌
2.胃の中に生息する
3.強力な「ウレアーゼ」という酵素を産生する能力を持っている
4.ヘリコバクターの「ヘリコ」は、らせん形(ヘリコイド)から命名されており、ヘリコプターの「ヘリコ」と意味は同じ
5.一方の端に鞭毛と呼ばれる毛が4~8本付いていて、活発に運動することができる

胃には強い酸(胃酸)があるため、昔から細菌はいないと考えられていました。しかし、ピロリ菌は胃の中で「ウレアーゼ」を使って尿素を分解することによってアンモニアを作り、自分の周囲だけ中性に近い状態に保つことで、酸性の強い胃酸の中でも長期間生存することができます。

 

永年、ピロリ菌が胃の中に住み着いて、慢性胃炎を引き起こすことによって、萎縮性胃炎になります。すなわち、胃粘膜に炎症状態が続くことによって、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど重大な病気ができやすい環境が作られます。

 

したがって、ピロリ菌の感染は「ヒトの胃粘膜の一生を決定してしまう」とも言えます。

 

2013年の時点で、わが国におけるピロリ菌感染者はおよそ3500万人と推定されています。

 

日本人はピロリ菌の感染率が高く、60歳以上では、実に7割以上の人がピロリ菌に感染しています。今後20年間は高齢者を中心としてピロリ菌陽性者が多く存在することになります。

 

ピロリ菌の感染率は、乳幼児期の衛生環境と関係していると考えられており、上下水道が十分普及していなかった団塊の世代以前の人において高い感染率となっています。

 

逆に20代では感染率は2割以下に下がります。これは、1960年代頃から直接井戸水を飲まなくなるなどの公衆衛生の進歩によって、感染率が低下してきたことによります。

 

1990年代からの疫学的研究を基に2010年までの感染率を解析した結果から、若年者を中心にピロリ菌の感染率は今後も低下し、将来的には感染している人はまれな時代になると考えられています。

 

ピロリ菌の感染経路はまだはっきりとわかっていませんが、口を介した感染(経口感染)が大部分であろうと考えられています。

 

ピロリ菌感染を予防する方法は、よくわかっていませんが、衛生環境が整った現代では、ピロリ菌の感染率は著明に低下しており、あまり神経質になる必要はないと思われます。

 

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