皮下接種と筋肉内接種について
B型肝炎ワクチンの用法用量では「10歳未満の者への接種経路は皮下接種のみ」となっていますので、筋肉内接種はできません。
一方、「10歳以上の者は皮下または筋肉内接種」となっています。
皮下接種と筋肉内接種でのHBs抗体価を比較した成績によると、3回接種後の平均抗体価は、皮下接種に比べて筋肉内接種の方が高値でしたが、抗体陽転率は皮下接種の方が数%高い結果でした。
海外において生ワクチンを除く多くのワクチンは、原則筋肉内接種で行われています。
複数ワクチンを同時に接種する場合、また新しい混合ワクチン、アジュバントを含んだワクチンは、筋肉内接種が標準的接種法となっています。
その理由は、筋肉内接種の方が皮下接種に比べて局所反応が少なく、また免疫原性は同等か、それ以上であることが知られているからです。
局所反応を軽減させる、あるいは、HBs抗体価の上昇を期待するということであれば、筋肉内接種が勧められますが、年齢の違いによる間違い(「10歳未満にも筋肉内接種をしてしまった」など)を防ぐという観点からは、皮下接種を選択するのも一つの方法です。
当院では、B型肝炎ワクチン単独接種の場合は皮下接種を行っています。