B型肝炎ワクチンの健保等一部限定適用
B型肝炎ワクチンには以下の3つの適応があります。
① B型肝炎の予防
ハイリスク者が感染前にあらかじめワクチン接種を行い、HBs抗体を獲得することが目的です。これは予防を目的とした使用法であり、3回接種いずれも保険適用とならず、全額自己負担です。
ただし、血友病患者にB型肝炎の予防の目的で使用した場合は、保険給付の対象となります。
なお、小児のB型肝炎ワクチンは現時点では任意接種ですが(0歳児を除く)、自治体によっては、費用の一部や全額を公費助成している地域もあります。
② B型肝炎ウイルス(HBV)母子感染の予防
HBs抗原陽性の妊婦から生まれた新生児は分娩の際にB型肝炎に感染する可能性が高いため、その感染を阻止するためにB型肝炎ワクチンを使用する方法です。
抗HBs人免疫グロブリン(HBIG)およびB型肝炎ワクチンを、生後12時間以内を目安に1回、さらに1回目接種の1か月後および6か月後に接種する「B型肝炎母子感染防止対策」が行われています。
この際に使用されるB型肝炎ワクチンは健康保険適用となります。
③ HBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液による事故後のB型肝炎発症予防
B型肝炎ウイルス(HBV)に汚染された血液等による汚染事故の場合、発症防止のためにHBIGとB型肝炎ワクチンを併用します。
このような場合の保険適用については、業務上であれば労災保険が、業務外であると健康保険等が適用となります。
なお、ワクチンが保険適用になるのは、以前は汚染源がHBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液とされていましたが、2004年4月からHBe抗原が陰性であってもHBs抗原が陽性であれば、労災保険の適用とする旨の通知が出されました。
ただし、健康保険の適用は、汚染源がHBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液に限られます。