妊婦への接種
B型肝炎ワクチンの添付文書では、妊娠期間を通じて接種しないことを原則としていますが、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には、主治医の判断で接種することができます。当院では安全性を重視しているため、原則として妊婦に対するB型肝炎ワクチン接種は行っておりません。
産科医によって判断は分かれると思いますが、一般的に出産3か月を過ぎた頃から出産前の体力に戻ると考えられているので、有効性の観点から間隔を考慮すれば、産後数か月経過してから接種することが望まれます。
接種の判断に際しては、積極的に予防した方がよいと考える医師と、B型肝炎感染リスクがあり、それを防ぎたいと考える妊婦の意見が一致した時にのみ、接種することが望ましいと考えられます。
なお、予防接種はできるだけ健康な時期に接種することが望ましいので、もし3回の基礎免疫中に妊娠していることが判明したら、その時点で一旦接種を中止して、出産後、健康な状態に戻ってから行う方がよいと考えられます。