亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎では不整形の腫瘤様の硬い甲状腺を触れて例外なく圧痛を伴います。

亜急性甲状腺炎では、しばしば上気道感染が先行して一旦改善した後、再び発熱します。
発熱の原因がわからない場合に甲状腺の触診で診断できることもあります。

甲状腺部に痛みや圧痛があり、発熱がある時は亜急性甲状腺炎を疑って、採血時に炎症反応(CRP)を加えて、甲状腺エコー検査を行います。
炎症反応が強陽性で、痛みや硬結に一致して甲状腺エコー検査において低エコー域を認めれば亜急性甲状腺炎と診断確定できます。
亜急性甲状腺炎では抗炎症治療が中心となります。
炎症症状が強い場合や中毒症状が強くて早急に中毒症を是正したい場合はステロイド(内服)を投与します。
通常、プレドニゾロン(プレドニン®など)15~30mg/日から開始して漸減します。
ステロイドの減量を急ぐと、一旦落ち着いた炎症が再燃することがあります。
軽症の場合は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与します。
亜急性甲状腺炎は3~6か月後の経過で発症前の状態に戻ります。
一部で永続性の甲状腺機能低下症になる場合もあります。

再発はまれとされています。
多くの場合は一過性であり、いずれよくなると説明して安心していただいています。

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