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2024.09.28更新

脂質異常症とは、コレステロール中性脂肪が基準を外れた状態です。

脂質異常症がやがて動脈硬化に進展すると、突然死につながる心筋梗塞脳梗塞などのリスクが高まります。

脂質異常症には自覚症状がありません。症状がないからといって脂質異常症を侮ってはいけません。

・ 血液中の脂質は全身をめぐる血管の健康と深く関係しています。

・ 脂質が過剰な状態が続くと動脈硬化が進行し、やがて命に関わる疾患につながることも少なくありません。

脂質異常症の診断では、血液検査でLDLコレステロールHDLコレステロール中性脂肪の値を調べます。

・ 以下の数値が一つでも診断基準に当てはまっていれば、脂質異常症と診断されます。

 1) LDLコレステロール:140mg/dl以上 →高LDLコレステロール血症
 2) LDLコレステロール:120~139mg/dl →境界域高コレステロール血症
 3) HDLコレステロール:40mg/dl未満 →低HDLコレステロール血症
 4) 中性脂肪(トリグリセライド):150mg/dl以上(空腹時採血)もしくは175mg/dl以上(随時採血)→高トリグリセライド血症
 5) non-HDLコレステロール:170mg/dl以上 →高non-HDLコレステロール血症
 6) non-HDLコレステロール:150~169mg/dl →境界域高non-HDLコレステロール血症

・ 上記は、日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版」から抜粋したものです。

・ 続きます。

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.30更新

乳幼児期にB型肝炎ウイルス感染が起こった場合、90%以上の患者さんでは宿主の免疫応答が弱いため、B型肝炎ウイルスを排除することができずに持続感染になってしまいます。

B型肝炎ウイルスに対する免疫寛容が続いて、肝細胞障害も起こらない状態、すなわち「無症候性キャリア」となります。これを「免疫寛容期」と呼んでいます。

その後、時期は個人差がありますが、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答が活発になって、肝細胞障害が起こり、ALT値が上昇します。これを「免疫応答期」と呼びます。

免疫応答期に入ると、多くの患者さんではHBV DNAの増殖が抑制されて、HBe抗原が消失してHBe抗体が出現します。これを「HBe抗原セロコンバージョン」と呼びます。

その結果、肝炎は鎮静化し、HBV DNA量は低値となり、ALTは正常化します。これを「非活動性キャリア」と呼びます。

一部の症例では、その後HBs抗原が消失してHBs抗体が出現します。これを「HBs抗原セロコンバージョン」と呼びます。この状態は臨床的にB型肝炎が治癒したとされます。

一方、無症候性キャリアのうち、約10%の患者さんでは免疫応答期に入ってもHBV DNA増殖抑制やHBe抗原セロコンバージョンが起こらず、肝細胞障害が長期間持続します。これを「HBe抗原陽性慢性肝炎」と呼びます。

HBe抗原セロコンバージョンを起こした患者さんのうち10-20%では、HBe抗原セロコンバージョン後にHBe抗原陰性の状態でHBV DNAが再増殖して、B型肝炎が再燃します。これを「HBe抗原陰性慢性肝炎」と呼びます。

また、4-20%の患者さんでは、HBe抗体消失ならびにHBe抗原の再出現を認めます。これを「リバースセロコンバージョン」と呼びます。

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2018.12.25更新

そもそもB型肝炎ウイルスとは何でしょう?

少し専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属する直径約40nmの球状DNAウイルスです。

非常に完成度の高いウイルスと考えられています。詳細については別に述べます。

B型肝炎ウイルス持続感染者は世界で約4億人と推定されています。

日本におけるB型肝炎ウイルス感染者は約1%とされています。

B型肝炎ウイルスは急性もしくは慢性肝炎の原因となります。

B型慢性肝炎患者の多くは肝硬変・肝癌へと移行します。

日本には約30万人のB型慢性肝炎患者さんが存在するとされています。

B型肝炎ウイルスに対するワクチンは今から30年以上前に開発されたため、新規感染は防御可能です。

しかしながら、B型慢性肝炎患者に対する治療法は次の2つです。

・ペグインターフェロンα(アルファ)

・核酸アナログ剤

これらの治療によってB型肝炎ウイルスが体内から排除される可能性は極めて低いのです。

この状況は、近年目覚ましい治療薬の発展を達成したC型慢性肝炎とは非常に対照的です。

B型肝炎ウイルス排除の難しさは、その独特な感染・複製システムに起因します。この点については、あらためて別に述べます。

同じウイルスでも、インフルエンザウイルスやHIVウイルスはウイルス自身に細胞傷害性があり、感染した細胞を破壊します。

B型肝炎ウイルスには細胞傷害性がないか、もしくはあっても軽度です。

B型肝炎における肝細胞障害は、主として感染細胞を排除しようとする宿主の免疫応答である細胞傷害性T細胞による細胞性免疫によって引き起こされます。

この他にも抗原特異的ヘルパーT細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞などの免疫細胞がB型肝炎に関係しています。

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2018.07.22更新

天神橋みやたけクリニックでは、毎月胃カメラでヘリコバクター・ピロリ胃炎の診断を行って、ヘリコバクター・ピロリ胃炎の内服治療を行って、治療効果の判定を行っています。

毎月、数十人のヘリコバクター・ピロリ胃炎患者さんが通院されています。

当院の院長は日本ヘリコバクター学会認定のピロリ専門医です。

専門医の視点や考え方に基づいて、日々ヘリコバクター・ピロリ胃炎の診療を行っています。

平成27年からの診療データを解析中ですので、日を改めて紹介させていただきます。

ヘリコバクター・ピロリ胃炎の診断は、①胃カメラ(上部消化管内視鏡)の検査結果と、②ピロリ陽性であることを確認すること、の2点で確定されます。

例えば、人間ドックで胃カメラを受けて、ピロリの検査も済んでいる場合、当院を受診するとその日にピロリの治療薬を処方しています。

治療の副作用は、軟便・下痢と味覚異常です。年に数人の方に皮疹を認めます。

治療成功率は90%以上とされています。

ピロリに関しては、今後このブログで情報を発信していきます。

 

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

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