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2019.01.31更新

当院の院長は日本ヘリコバクター学会の認定医です。
当院ではさまざまなパターンのピロリ除菌療法に対応しています。


1) 何らかの胃の症状がある。
2) 健診や人間ドックでピロリ菌陽性であると指摘された。
3) 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けて慢性胃炎(萎縮性胃炎)を指摘された。
4) 健診や人間ドックでピロリ菌陽性を指摘されて、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で慢性胃炎(萎縮性胃炎)を指摘された。
5) 健診や人間ドックのバリウム検査で慢性胃炎を指摘された。
6) 家族がピロリ菌陽性だったので心配である。
7) ABC分類検査(胃がんリスク検査)でB群、もしくはC群であると指摘された。


代表的なのはこれらのパターンであると思います。
当院では上記のいずれのパターンにも対応しています。
「胃カメラは受けたくないが、ピロリ菌の検査を受けたい」という方は、血液検査で調べることもできます。


ピロリ菌は胃がんのリスク因子です。
ピロリ菌陽性であると判断された場合は、早めにピロリ除菌療法を受けることをおすすめします。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.30更新

乳幼児期にB型肝炎ウイルス感染が起こった場合、90%以上の患者さんでは宿主の免疫応答が弱いため、B型肝炎ウイルスを排除することができずに持続感染になってしまいます。

B型肝炎ウイルスに対する免疫寛容が続いて、肝細胞障害も起こらない状態、すなわち「無症候性キャリア」となります。これを「免疫寛容期」と呼んでいます。

その後、時期は個人差がありますが、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答が活発になって、肝細胞障害が起こり、ALT値が上昇します。これを「免疫応答期」と呼びます。

免疫応答期に入ると、多くの患者さんではHBV DNAの増殖が抑制されて、HBe抗原が消失してHBe抗体が出現します。これを「HBe抗原セロコンバージョン」と呼びます。

その結果、肝炎は鎮静化し、HBV DNA量は低値となり、ALTは正常化します。これを「非活動性キャリア」と呼びます。

一部の症例では、その後HBs抗原が消失してHBs抗体が出現します。これを「HBs抗原セロコンバージョン」と呼びます。この状態は臨床的にB型肝炎が治癒したとされます。

一方、無症候性キャリアのうち、約10%の患者さんでは免疫応答期に入ってもHBV DNA増殖抑制やHBe抗原セロコンバージョンが起こらず、肝細胞障害が長期間持続します。これを「HBe抗原陽性慢性肝炎」と呼びます。

HBe抗原セロコンバージョンを起こした患者さんのうち10-20%では、HBe抗原セロコンバージョン後にHBe抗原陰性の状態でHBV DNAが再増殖して、B型肝炎が再燃します。これを「HBe抗原陰性慢性肝炎」と呼びます。

また、4-20%の患者さんでは、HBe抗体消失ならびにHBe抗原の再出現を認めます。これを「リバースセロコンバージョン」と呼びます。

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.13更新

まず、覚えていただきたいことは、コレステロールは人間の体内でエネルギー源として燃焼させることができない、という事実です。

人間の体内では、コレステロールの環状構造は水と炭酸ガスに分解することができません。

グルコースや脂肪酸のようにエネルギーとして燃焼させることもできないため、ステロイドホルモンの合成材料になる場合を除いては、余ったコレステロールはコレステロール逆転送系によって、HDLコレステロールを介して肝臓に運ばれます。

そして、胆汁酸に合成されて胆汁中に排泄されます。

このため、体内におけるコレステロールの動きとしては

(1) 生体膜の構成成分

(2) ステロイドホルモンやビタミンDの合成材料

(3) 胆汁酸に合成されて排泄

この3つの処理方法しかありません。

すなわち、コレステロールを体外に排泄する手段は、胆汁のみということになります。

 

胆汁酸は摂取した脂質を乳化して、その消化・吸収を助ける作用があります。

脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の吸収には胆汁酸が重要な役割を果たしています。

人間は1日に300-600mg程度の胆汁酸が肝臓で合成されています。

体内の胆汁酸のプールは3-5g程度とされていますが、実際には肝臓から胆汁酸へ1日に18-35g程度の胆汁酸が分泌されており、生体内での合成量では必要量を満たすことができません。

この不足分を補うために、小腸から肝臓へ1日6-12回程度、分泌された胆汁酸を運び戻して再利用する腸肝循環と呼ばれるシステムがあります。

分泌された胆汁酸の95%以上は小腸から吸収されて肝臓に戻って再利用されるため、体外に排泄される胆汁酸の量は肝臓から分泌された量の数%(500mg程度)と少なく、排泄分を肝臓で合成していることになります。

腸肝循環されなかった胆汁酸は、大腸内で腸内細菌によって分解され、最終的に便中に排泄されますが、これがコレステロールの唯一の体外排泄機構となっています。

このように、コレステロールは生体内でエネルギー源として燃焼されず、体外排泄機構も乏しいため生体内で蓄積されていきます。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.13更新

脂質は生体中に存在する水に溶けない有機化合物です。

脂質の主な役割は以下の通りです。

・生体膜(細胞膜)の成分

・エネルギー貯蔵

・体温保持

・皮膚の保護

・脂溶性ビタミンや代謝活性をコントロールするホルモンの材料

・血圧、体温、筋肉の働きのコントロール

構造上、脂質は以下のように分類されます。

・脂肪酸

・トリグリセライド(エネルギー貯蔵のため)

・リン脂質(生体膜を構成)

・ステロイド(コレステロール、ステロイドホルモンなど)

・エイコサノイド(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどの局所ホルモン)

・イソプレノイド(ビタミンA、D、E、K、コエンザイムQ10)

また、脂質は次の3つのように分類されることもあります。

・単純脂質:アルコールと脂肪酸がエステル結合した脂質。食物中の単純脂質はトリグリセライド(中性脂肪)で、1分子のグリセロールと3分子の脂肪酸が結合しています。この脂肪酸には多様な飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸が使われます。

・複合脂質:蛋白質など他の物質と結合している脂質で、一般にスフィンゴシンまたはグリセロールが骨格となります。リンを含んだリン脂質、糖を含む糖脂質、蛋白質を含むリポ蛋白があります。

・誘導脂質:脂質の分解産物のうち脂溶性を示すものです。脂肪酸、脂溶性ビタミン、ステロイドがあります。コレステロールは誘導脂質の一つです。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.13更新

少し専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属する不完全二本鎖の直径約40nmの球状DNAウイルスです。

ウイルスの中でも非常に小さく、ゲノムサイズは3.2kbしかありません。

B型肝炎ウイルス本体の感染粒子は一般にDane粒子と呼ばれます。

HBVゲノムからは、大きく分けてコア抗原(HBc抗原)、ポリメラーゼ(HBpol)、S抗原(HBs抗原)、X抗原(HBx抗原)の4種類の遺伝子産物のみが生成されます。

完全閉環二本鎖DNA(cccDNA)、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素を含む芯(コア)と外殻(エンベロープ)の二重構造をとります。

B型肝炎キャリア診断の検査として用いられるHBs抗原は、Dane粒子の外殻を構成する蛋白抗原です。

Dane粒子の他、中空粒子、小型球形粒子など血中に放出される蛋白の外殻に位置します。

HBe抗原は芯の一部を構成する蛋白であり、B型肝炎ウイルスの増殖が盛んな場合に血液中に流出します。

ここからはさらに専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスの排除を困難にしている最も重要な要因が先述したcccDNAの存在です。

ちなみに、cccDNAとは一般的にB型肝炎ウイルスの鋳型として知られていますが、実際にはB型肝炎ウイルスに固有のDNA形態ではなく、二本鎖閉環状DNAで螺旋状のものは全てcccDNAと呼びます。

HBV cccDNAは細胞核内のみに存在し、4種類のヒストンから構成されるヌクレオソーム、HBx、HBcと結合していると考えられています。

現在、臨床で主に使用されている核酸アナログ剤はHBV DNA合成を抑制するのみであり、細胞の核内に存在するcccDNAには全く影響を与えません。

インターフェロンαがcccDNAを減少させるという報告もありますが、効果は限定的であり、作用機序についても意見が分かれています。

2018年6月に大阪で開催された肝臓学会総会に参加して、B型肝炎の創薬をテーマとした講演を聴きましたが、B型肝炎の根治的治療薬の誕生にはまだ時間がかかるという印象を受けました。

HBs抗原陽性の患者さんには定期的な外来フォローが必要であると考えています。

 

 

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.13更新

当院は平成27年4月に開院し、当初からヘリコバクターピロリ除菌療法を導入しています。

平成27年4月から平成30年3月までのピロリ除菌療法について解析した結果をお知らせします。

・一次除菌成功率:91.4%

・二次除菌成功率:94.4%

平成30年4月以降のデータについては現在解析中です。

除菌効果判定の検査(尿素呼気試験もしくは便中ピロリ抗原検査)を受けておられない患者さんもいらっしゃいます。

当院ではなくても構いませんので、効果判定は済ませるようにして下さい。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.06更新

脂質異常症自体は自覚症状を認めないことが多く、受診する機会としては、健診や人間ドックの結果をきっかけとすることが多いのが現状です。

家族が狭心症や心筋梗塞などの疾患を有するために心配になって受診するケースもあります。

家族性高コレステロール血症(FH)では、特徴的な皮膚所見を示すことがあるため、皮膚科から紹介されるというケースもあります。

狭心症、心筋梗塞や脳梗塞を発症後に入院時の血液検査で初めてわかることもあると思われます。

脂質異常症に対して当院で行う基本的な検査項目は次の通りです。

・年齢、性別

・自覚症状

・家族歴

・合併症

・既往歴

・服薬歴

・喫煙歴

・飲酒歴

・運動

・睡眠

・家庭血圧

・身長

・体重

・BMI:体重【kg】/身長【cm】2

・診察室血圧

・脈拍

・胸部聴診

・総コレステロール(TC)

・HDLコレステロール(HDL-C)

・non-HDL-C

・LDLコレステロール(LDL-C)

・血清クレアチニン(eGFR)

・血糖値

・HbA1c

・検尿

・安静時心電図

これらの検査結果により脂質異常症の評価を行います。

初診時の検査のポイントは、総コレステロール(TC)、トリグリセライド(中性脂肪:TG)、HDLコレステロール(HDL-C)、を10時間以上絶食後の空腹時に採血して測定をすることです。

当院ではLDLコレステロール(LDL-C)を直接法で測定します。

高リスクである家族性高コレステロール血症(FH)では、著明なLDLコレステロール(LDL-C)高値に加えて、アキレス腱肥厚による黄色腫や早発性冠動脈疾患(男性55歳未満、女性65歳未満)を伴うことが多いので、問診において家族歴を含めて綿密な病歴聴取が必要であると考えています。

当院では必要に応じて、アキレス腱の厚さを測定しています。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2019.01.05更新

当院で行っているB型肝炎の検査項目は以下の通りです。

AST

ALT

γ-GTP

ALP

LDH

T-Bil(総ビリルビン)

D-Bil(直接ビリルビン)

I-Bil (関節ビリルビン)

TP(総蛋白)

Alb(アルブミン)

ChE(コリンエステラーゼ)

HBV DNA(核酸定量:B型肝炎ウイルス量)→必要に応じて

HBs抗原 →年1-2回

HBe抗原 →年1-2回

HBe抗体 →年1-2回

AFP(肝癌の腫瘍マーカー)→必要に応じて

PIVKA-II(肝癌の腫瘍マーカー)→必要に応じて

腹部エコー(腹部超音波検査)→年2回

これらの検査項目を確認して、B型肝炎の病状を評価しています。

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2018.12.25更新

そもそもB型肝炎ウイルスとは何でしょう?

少し専門的な話になります。

B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属する直径約40nmの球状DNAウイルスです。

非常に完成度の高いウイルスと考えられています。詳細については別に述べます。

B型肝炎ウイルス持続感染者は世界で約4億人と推定されています。

日本におけるB型肝炎ウイルス感染者は約1%とされています。

B型肝炎ウイルスは急性もしくは慢性肝炎の原因となります。

B型慢性肝炎患者の多くは肝硬変・肝癌へと移行します。

日本には約30万人のB型慢性肝炎患者さんが存在するとされています。

B型肝炎ウイルスに対するワクチンは今から30年以上前に開発されたため、新規感染は防御可能です。

しかしながら、B型慢性肝炎患者に対する治療法は次の2つです。

・ペグインターフェロンα(アルファ)

・核酸アナログ剤

これらの治療によってB型肝炎ウイルスが体内から排除される可能性は極めて低いのです。

この状況は、近年目覚ましい治療薬の発展を達成したC型慢性肝炎とは非常に対照的です。

B型肝炎ウイルス排除の難しさは、その独特な感染・複製システムに起因します。この点については、あらためて別に述べます。

同じウイルスでも、インフルエンザウイルスやHIVウイルスはウイルス自身に細胞傷害性があり、感染した細胞を破壊します。

B型肝炎ウイルスには細胞傷害性がないか、もしくはあっても軽度です。

B型肝炎における肝細胞障害は、主として感染細胞を排除しようとする宿主の免疫応答である細胞傷害性T細胞による細胞性免疫によって引き起こされます。

この他にも抗原特異的ヘルパーT細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞などの免疫細胞がB型肝炎に関係しています。

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

2018.12.23更新

脂質異常症とは血液中の脂質濃度が異常値を示す疾患です。

その診断と治療の目的は動脈硬化性疾患および急性膵炎の予防です。

脂質異常症の診断基準は動脈硬化性疾患の予防を主たる目的として設定されています。

LDLコレステロール(LDL-C)、トリグリセライド(中性脂肪:TG)、HDLコレステロール(HDL-C)と動脈硬化性疾患との関係性は、脂質値の増加とともに(HDLコレステロール(HDL-C)の場合は低下)連続性に疾患イベントの増加が認められます。

LDLコレステロール(LDL-C)140mg/dL以上を高LDLコレステロール(LDL-C)血症、HDLコレステロール(HDL-C)40mg/dL未満を低HDLコレステロール(HDL-C)血症、トリグリセライド(中性脂肪:TG) 150mg/dL以上を高トリグリセライド(中性脂肪:TG) と定義しています。

今回のガイドライン改訂により、non-HDL-Cも診断基準に加えられ、non-HDL-Cが170mg/dL以上で脂質異常症と診断できます。

高リスク病態では、LDLコレステロール(LDL-C) 120mg/dL、non-HDL-Cが150mg/dL以上で脂質異常症と診断されます。

診断は原則として10時間以上の絶食後に採血した検体から総コレステロール(TC)、トリグリセライド(中性脂肪:TG)、HDLコレステロール(HDL-C)を測定し、LDLコレステロール(LDL-C)を計算式または直接法で求めた後の値に基づいて行います。ただし、検査前に水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可能です。

2017年のガイドライン改訂から、総コレステロール(TC)からHDLコレステロール(HDL-C)を引いたnon-HDL-Cも脂質異常症の診断に用いることができるようになりました。

脂質異常症は冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患を起こす主要リスクの1つです。

総コレステロール(TC)もしくはLDLコレステロール(LDL-C)が高値の場合に、冠動脈効果疾患の発症率が上がることは多くの調査で明らかになっています。

複数の研究結果から、総コレステロール(TC)、LDLコレステロール(LDL-C)高値は加齢、糖尿病、高血圧、喫煙とともに冠動脈疾患の発症率と死亡率を増加させることが示されています。

高度の高トリグリセライド(中性脂肪:TG)は急性膵炎を起こす可能性があり、その診断・治療は重要です。

日本における脂質異常症の頻度は男性約23%、女性約18%とされています。

日本動脈硬化学会では、脂質異常症を中心とする治療方針の改訂を2017年6月に5年ぶりに行って、新たなエビデンスや研究成果に基づいた「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を発表しました。

今回の改訂のポイントは以下の通りです。

・絶対リスクの算出を吹田研究に基づき、10年間の冠動脈疾患の発症をエンドポイントとして行ったこと

・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群をリスクとして考慮すべき状態として取り上げたこと

・家族性高コレステロール血症(FH)に関して、小児FHに対するスタチンの適応拡大などに伴って、診断・治療に関する記載を拡充したこと

・FHや急性冠症候群など二次予防での高リスク状態においてLDLコレステロール(LDL-C) 100mg/dL未満よりさらに厳格な脂質管理目標を提言したこと

 

 

 

 

投稿者: 天神橋みやたけクリニック

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